mouratta’s blog

うっかり半世紀生きてきて、自分がギフテッドと やっと気づいた私。

ヒスタミンという厄介さんとは長いお付き合いでして…(-_-;)

今日の書き込みは「ギフテッド」についてではありません。

 

 

まず最初に…今日の書き込みはある方に向けてのものです。

 

<(_ _)> おそらく1年継続してきた中で、気のゆるみ、慣れ慢心、    何よりチョーシにのってしまったのだと思うのですが、最近読者登録させて頂いた方のブログに、つい軽率なコメントを書き込んでしまいました。

そのことについては先ほど謝罪させて頂きましたが、なぜそんな軽はずみなことをしてしまったのかということと、その書き込んだ内容についてのことを(もしお読み頂けるなら)説明させて頂けたら…と思い、長くなりますが順を追ってお話しさせて頂きます。

お名前はここではお出しできませんが(OK確認をさせて頂いてないため)本当に申し訳ありませんでした。

 

 

まず、事は「食中毒」関連のことでした。

先月のO-157食中毒で犠牲者が出てしまいましたが、本当にいたましく、つい、昔より冷蔵や衛生管理も進歩しているはずなのに…という話題が家の中で出てきます。

その話の展開していく中で「ヒスタミン中毒」の話題が出ました。

この「ヒスタミン」自体は病原菌でもウィルスでもありません。 アレルギーの関係でお聞きになったことも多いと思いますが、もともと人体内にもある物質です。 で、これは結構赤身の魚に多く含まれてます。 

正確にはその前駆物質、ヒスチジン、です。

 

ちなみに「赤身魚」とは、こちらのブログがとてもわかりやすく説明なさっておいででしたが、回遊魚で筋肉中のミオグロビンと血中のヘモグロビンの含有量が高く、水産学では100gあたりの含有量がそれぞれ10mg以上のものとされています。(この定義があるので見た目赤い鮭は白身魚に分類されるそうです)サバ、マグロ、カツオ、イワシ、ブリ、ハマチなどなど、赤身魚の中でもイワシ、サバ、サンマなどは「青魚」とも呼ばれます。

 

で、昔からこの手の魚で食中毒起こす事例はありました。

江戸時代とかそれ以前、夏は普通であれば氷など手に入らない、輸送手段はとても限られていて、インフラ整備も原始的、つまりは現代のような「新鮮さ」で消費地に届くわけはなく。

実際、カツオ。

「カツオのたたき」が、身の周囲だけをざっと焼くという調理法なのは、あまりに頻発する食中毒を問題視した御上が「生食まかりならん!」と出した御触れへの上っ面帰順、「焼いてます、生じゃないです」で。

もちろん細菌性、腐敗の結果はあったのでしょうが、いくら何でも明らかにこれダメでしょう…ってのは食べませんよね、当時でも。 となると、一見なんともないのに「当たった」って言う、おそらく「ヒスタミン中毒」事例もかなりあったと思います。

 

さて、ここで少し話がそれますが、漢方薬について。

 

今でこそ、病院で健康保険適用で処方されるようになりましたが、それが一般的になったのは1970年代後半(昭和50年代)でした。 

漢方薬については、私が子供の頃…昭和30~40年代は「医療者は科学の一端を担う存在である!そのような無知蒙昧の根拠なき迷信は科学とは相容れぬ!クスリとは認められぬ!!! 百歩譲って【民間伝承薬】としてならともかく、それ以上は無い!」・・・て感じでした。

 

分からなくはないというか…それまで大した治療法のない感染症について戦後、ペニシリンをはじめとした抗生物質が鮮やかに患者を救う様を見て西洋医学=人類を救う!絶対的に正しい!科学ってもうこれ以外ない!

→漢方?何その木の皮とか根とか葉っぱとかサイの角とかクマの胃とか?それすりつぶして煎じて飲む?そんなの科学じゃありませんーーー!

・・・ってね。 まぁ…衝撃を受けて極端に振れちゃったってことはあったと思います。

 

それが見る見るうちに「いや~、葛根湯、風邪に効くわ!」となっていった流れをリアルタイムで見て奇妙に感じていました。 私の両親の職場が医療関係だったため、わりとそういう流れ、医療、治療の進歩や変遷の過程を目の当たりにできたわけで。

 

考えてみればその前に「サリドマイド」薬禍であったり、「アンプル入り風邪薬」事件とかもあったので、西洋医学の薬への盲信状態に疑問が出てきたのかもしれません。 公害や合成甘味料、着色料の発がん性なども社会問題となっていました。 ケミカルなものに対しての不信感が増した時代性。

 

葛根湯が代表選手の体で、病院で処方されるようになった漢方薬は、銀色のパッケージに落ち着いたピンクや濃い水色で丸で囲まれた中に番号だけが書かれ、漢字表記はなかったように記憶しています。 あったとしてもパッと見には気づかないくらいでした(←当時)。 「漢方薬」のイメージをなんとか現代的にしようとしていたのでしょうか。 

葛根湯はOTCとしてTVで派手にCMも流されるようになりました。 昔は葛湯作ったり生姜湯作ったり玉子酒作ったりしてたのが、お手軽便利な葛根湯にシフトしていきました。 

 

で。 話はここから。

その頃はもう大分、冷蔵・冷凍技術の進歩やインフラ整備も整い、以前では考えられなかった内陸部でも「生魚」が簡単に手に入るようになってきました。 

そして、当然…と言うのもちょっと困ったものですが、食中毒で病院に駆け込んでくる患者さんも、少々増加してきて。(当時はまだ生食などに対しての警戒感が強く、消費者自体も気をつけていたためか、極端に増えたというわけではありません)調べるわけです、原因は何か、バイキンも色んなやつがいるのでw 

そのうち、昔はこんなことなかったんだけどな? 奇妙だな?

という「食中毒」を見かけるようになってきたそうです。

 

気温的にあまり食中毒頻発する時期でもないのに、家族や、親戚一同、あるいは職場同僚などで宴会をした後に、大勢で食べた中で一人だけ、あるいは2,3人だけ嘔吐や発熱などが出る。 胃腸症状、頭痛なども強く訴えて、見た目かなり苦しそうで重篤感あり。ただ、翌日には快復する。 後遺症っぽいものは残らない。 食べ残した食材や、患者さんからの検体を調べても病原菌は出てこない。 で、詳細に聞くと、他に軽い蕁麻疹が出た人がいたりする。

 

・・・アレルギー?  いや、でもこれは・・・?

 

で、担ぎ込まれた患者さんは、他の人に比べて「大量に食べた」わけでも「子供・老人」なわけでも、特にアレルギー体質なわけでもなく、ただ、

 

・・・ちょっと風邪っぽくて、風邪薬のんだんだよね~。

風邪気味だったからかなぁ、当たったの俺だけだもんね。

 

病院スタッフ:風邪薬呑んだって?市販の?

 

葛根湯ですよ、あれ引き始めにいいんでしょ?

宴会だから酒飲むし、葛根湯なら大丈夫だって思って。

 

その「大丈夫だと思って」にはツッコミどころ満載ですがw

まず看護婦(婦:当時なので)が医師にその話を申送りし、その話をきっかけに同じタイプの「食中毒」の場合にまず「体調どうだった?何か薬とか飲んでなかった?」と質問してみたら、見事に葛根湯系を服用していた患者さんがずらずらと。 それはもう気味が悪いくらいだったそうです。

 

付き添いできたご家族の方が「あのハマチだよ、何かさ、食べた時ブルッと寒気した。」とお話しされたりすることもあったそうです。でもそのご家族は食中毒症状は起こしていない。 他の方も。 その方たちは葛根湯服用してないわけで。

その寒気、私もあります。 普段はなんともないけど、このサバはダメ、とか。 そういうときって口に入れた瞬間にまさにブルッと身震いする。出せればいいんだけどそうもいかず、とにかくこの一口は、と無理して食べると、十中八九しばらくして皮膚に痒みがでる。 その一口で止めるのでごく軽くすみますけどね。 私はもともとアレルギー体質なので、毒見が効くのかな。

となるとやはり、葛根湯が問題なんじゃないか、と考えざるを得ないわけです。 とはいってもそれを証明するとなると、ことはそれほど簡単ではなく。  まず「葛根湯」とはいっても、成分的には色々入ってるわけで。

 

成分の中の「何が」「どのように」作用するのか、食べたものからして魚が原因なのはわかるけど、魚の成分の「何が」「どのように」作用するのか、そしてどのくらいの分量で症状が出るのか、とか。 もちろん、個人の体質というバラつきがあるわけで。 それらのデータ解析をどうするか。

だいいち田舎の病院にたまにやってくるその手の患者さんだけで「科学的根拠」いえるだけの症例数を集めるのは難しい。 かといって、他の病院に広くお願いして協力して頂くってのもこれまた皆さま日々お忙しいわけで。 当時は今みたいにネットなんざありませんでしたし。

  

「臨床の現場でこんな事例があったんで、葛根湯、ヤバくね? って思うけどー…詳細確かめれてないんすよねー(てへぺろ)」

・・・では、相手にされないどころか、エライせんせにごっつ怒られるw(そりゃもちろん今も科学的根拠は大事ですよ、絶対に)つまり学術的に、論文などで報告できるようなところまではなかなかたどり着けない、ということになるのです。 発表出来なくはないんでしょうが、コテンパンにされる覚悟はおありですよね?となるわけで。

 

さらにこの「漢方薬を普通に病院で処方できる=保険適応される」という状態にするためには、今でも名前が取りざたされることがある医師会のおおおおおお~おやぶんさんの鶴の一声があったそうです。 そんな経緯のある漢方薬に、ケチがつくような話は誰もしないw

 

などなどのことが長い時間の間にありまして、そのうち、葛根湯はヒスタミンを体内にため込むらしいという話が医療現場にはちらちらと出始めて、2000年ちょっと過ぎた頃、薬と食事の作用について、あるDr.が分かりやすい解説本を出された。 

そういう流れをきっかけに、少なくとも葛根湯を処方する際には、服用する間は、特に青魚は避けてほしいと患者さんに口頭で伝えるDr.もおいでのようです。 

この話について、学術論文などがネットに上がっていないかとあれこれ探してはみたのですが、引っかかってはきません。(一部あったのですが「安全ではないファイル」とされて開けない) おそらく、以前と状況はあまり変わらず、「科学的根拠に基づいた」論文として発表するには色々とハードルの高い事案なんだと思います。 もしかしたらあるのかもしれませんが、医療職ではない私は、その情報にアクセスできる術を持ちません。

言及しているサイトはいくつかHITしますが、最近流行りの言葉、「エビデンス:証拠」を提示しているわけではありません。 その意味では、私が書いている今日の内容もそうなのですが。

 

ただただ、我が実家の茶の間で、団らんの際に出た話題。(食事の最中に「緑膿菌がー」とか「カリエスはー」とか 当たり前に話してる一家でした。 それ普通だと思ってたw なので、結婚してからダンナに「それね、普通の家ではまず無いから。特殊だから。」と言われた時の戸惑いったらものすごかったです。)

今はダンナもずいぶん慣れてくれたのと、年齢を重ねて体調不安の時にいろいろ話すようになってきました。 ・・・そんなこともあって、つい人様のお部屋で軽率な真似をしてしまったのですね。

・・・本当に申し訳なかったです。

「詳細を」とご返信いただいたときに、はたと我に返り、人様のお部屋でずいぶん平らな真似をしてしまったと猛省した事でありました。

 

学術的なエビデンス的詳細ではございませんが、あの書き込みの背景をご理解いただけますでしょうか。 私としては「根拠」があると思えることであったためいかにもという風体で書き込んでしまったもので、決していわゆる「それ、もう宗教の域」の盲信を押し付けようと思ったことではありませんでした。

どうぞご寛恕頂けますようお願いいたします <(_ _)>

  

なお、ご返信へのレスが遅れましたのは、父の遺した手帳に該当する内容が書いてないかと探していたためです。せめて何年のこと、とかがわかればと思ったのですが仕事関係のことは稀にしか書いておらず、ハッキリと年度は確定できませんでした。