夏間近なので、例えば北海道へ旅行して、レンタカーであちこち回ろう!と、お考えのかた、いらっしゃいますでしょうか。
ようこそ、夏の北海道はいいですよぉ♪ 秋も冬もいいけど。
…でもね、これだけはお願いしたいのです。
運転席・助手席は当たり前だけど、
後部座席も必ず!かーなーらーずー!
シートベルトしてね。
大人数で移動する車も、バスも。
現在は後部座席でもシートベルト着用は義務となっています。
特例として妊婦さんとかは免除されていますが、義務、です。
ですが、後部座席だと締めてない人多いのですよ。
長距離バスも着用率低いですね。 運転士さん呼びかけするのに。
さすがに路線バスは無理だけど、スクールバスどうなってるのだろう。
もう30年近く経ちますが、私はシートベルトのお陰で命拾いしました。 後部…助手席の後ろの席に乗っていて、当時は後部座席では着用義務はなかったけれど、私は必ず締めていました。
で、いまこうやってのほほんとブログ書けてるんです。
そもそも、当時、義務ではなかったのになぜ着用していたか。
同級生のお母様が事故で亡くなられたからです。
助手席の後ろに乗っていたお母様は、追突の衝撃で、天井と助手席のヘッドレストのほんの30cmほどのすき間から前方に飛び出し、フロントガラスに激突してほぼ即死状態だったそうです。 葬儀で、何だか悪い夢をみているようにぼんやりと遺影を見つめていた同級生の姿が今も忘れられません。
その後、街で偶然あった時、立ち話の別れ際に
「mourattaさぁ。 お前出張行くんだな? 車で。
(シート)ベルトすれよ。 絶対すれよ、後ろでもな、絶対だぞ。」
と、その時約束しましたの。
「すれよ」は北海道弁でしょうか「する」の命令形です。 シートベルトする、ベルトすれ!すれよ!です。 普通に言えば、ベルト「しろ」「しろよ」です。 ベルト「しなさい」がスタンダードな翻訳かな。
命拾いした状況はこうです。
運転していた同僚は、片側1車線の直線道路で大型トラックに追い越しをかけたものの、たぶん嫌がらせされたんでしょうね、追い越せないまま対向車(それも大型トラックかトレーラー)が迫ってきて、どうしようもなくなり、右手側の土手…高さは5~6mくらいかな?を、斜めに突っ切り降りて行きました。
ガードレールはなく、法面(のりめん:土手の斜面部分と思って頂ければ)は草だけで、木がまったく無かったのは本当に幸いでした。 そしてさらに幸いだったのは、10分もしないうちに巡回のパトカーが通りかかったこと。 その頃は携帯持ってなかったのです。 あったとしても通話可能エリアはまだ限られて、峠道近くなんて山間はほとんどが圏外。
で、お巡りさんに無線でレッカー手配してもらいつつ、状況を聞かれたわけですが、「何で横転しなかったかな?」と…(^▽^;)何でってアナタw
あなた(←私)はどこに乗ってたの?助手席の後ろ?
よく無事でしたねぇ!普通無いですよ。
え?シートベルト締めてたの? 後ろで?
すごい!!!
いっやぁ~~~命拾いしたねぇ、あんた!
(話し始めは「あなた」「です」口調だったのが、命拾い発言は「あんた」(というかバリバリの北海道弁)になったのを見ても、どれだけ心底からそう思われたかが感じられるw で、「すごい!!!」は、シートベルトの効果ってやっぱりすごい!の意味だと思います)
その時説明されたのは、こうです。
路外へ逸脱して土手を下り始めた時、車体は大きく谷側(右)に傾く。
↓
助手席後ろの私は、反対側のドアに叩きつけられる。 早ければその時点で頭部強打するか首の骨折って死亡。(とっさに掴まるとかムリ、もし掴まってても身体の重さを支え切れないで結局叩きつけられる)
↓
ドアが衝撃で開き、私は車外に放り出されて全身を強く打って死亡。
(ドアロックしてても大人の体重でぶちあたると開くことがよくある)
↓
重心が右側に極端にかかってバランスが崩れた車は横転。 放り出された私は車の下敷きになってぺっちゃんこ。 放り出されなかったとしても、車内であちこち叩きつけられて死亡、または脊髄損傷で部分的か全身不随状態となるような重傷ダメージを受ける場合が多い。
↓
今回は突っ切り降りていったからそこで止まっているけれど、横転していたらもっと下まで転がって、畑の用水路に転落、前の2人も多分無事ではいられない。
・・・(-_-;) 私はその短時間にいったい何回死亡してるんでしょうか・・・
僕らはね、見てるのさ。 そういう現場、嫌ってほど。
後ろに誰か乗ってると、そんな感じで重大事故になるんだわ。
だから3人いるのに横転してないってちょっとびっくりした。
(同僚の運転手に向かって)
感謝しなさいよぉ、シートベルトしててもらって良かったねぇ。
1人旅だしーとか2人だけだしーなんて思ったアナタ。
たとえ1~2人でも、そこそこの荷物あるでしょ。 それが転がってぶちあたれば影響がないとは言えない。 最近は旅行といえばキャリーケース使う方が多いし、あれ結構重いですから。
昨今は安全装置による運転サポートがずいぶん充実してはきましたが、それで事故が「完全に」回避されるわけではありません。
交通事故死者数は昔に比べて減少していますが、「あなたが」事故で命を落とさないことを保証してるわけではありません。
そしてなにより、ケガで済んだとしても、後遺症が残らないとは限らないのです。
この後遺症が、一般にイメージされているよりずっと影響し続ける。 特に外見的には全く分からなくとも、痛みやしびれ、脳機能障害があると本人のつらさは半端ないです。 こういうことはあまり報道などもされないので認識していない方が多いのですが。
北海道は道路の幅が広く、直線距離が長かったりで、ついスピードが出がちになるし、風景に気を取られてわき見運転したり、そもそも距離感が分かってなくて無茶な移動計画立てて疲労から居眠りしたり…昔から重大事故が多い。
ちなみに地図を漫然と見て、初日は飛行機で釧路に降りて車借りて、知床から旭川回って、小樽で寿司食って札幌で泊まる…みたいな計画立てる人いるんですけど、縮尺ちがうって気付いてほしいの。
それ、ほんとゼッタイ無理だから。
さらに最近はインバウンド…海外からの観光客がレンタカーで道内を移動するケースも増えていて、国際免許は持っていても、日本の道交法やマナーを判っていないことも多く、中にはびっくりするような運転操作をするドライバーもいたりします。 悪気じゃないんでしょうけど…
旅行に来て、北海道いいね~って、楽しんで頂きたいです。
楽しい思い出とお土産持って、無事にお帰り頂きたいです。
どうぞ、お気をつけて。
シートベルトは絶対、忘れずに。 たとえツアーバスでもね♪