mouratta’s blog

うっかり半世紀生きてきて、自分がギフテッドと やっと気づいた私。

感染状況と医療体制の逼迫とオリンピックと。 で、「指数関数的」ってどんなんですの?

 

f:id:mouratta:20210530134317j:plain

近所の「金鎖(ゴールデンチェーン)」がまもなく満開です。月蝕の写真じゃないんかいw 

 

先日の皆既月蝕は、晴れ予報の出ていた札幌も薄雲がかかり、クリアに見られたのはほんのわずかな間で。 

なんとか撮れたのですが、写った月は赤みの感じがまるで火星のようでした。 次の皆既となるとずいぶん先になるようですが、今年の11月にはまた大きく欠ける月蝕が観られるそうですね。

日蝕と違って月蝕は月が出ているところなら地域問わず観測できるとのこと、アジアのあちこちからも蝕レポがネットに上がっていて楽しかった。

 

天体観測というと、札幌では市内北側にあるモエレ公園が好適な場所の一つです。 敷地自体が広大で、視界の開ける広場が何カ所もあり、あちこちに丘も配置され、なにより周辺にまだ灯りが少なく駐車場スペースも充分。 夜間は民間委託のパトロール車が巡回しているなど(とはいえ利用者も警戒は当然必要かと)。

月蝕の夜も家族づれや学生のグループがたくさん来ていました。 まぁ各種のイベントが軒並み縮小・中止の憂き目に遭う中、屋外で密にならず遊べる機会はそうありませんのでね。 

モエレ山はかすかなシルエットから見ても、かなり混んでいたので登らずにおきましたが、私たちと同じように登らずに月蝕を眺めていた若者グループも、自分たちなりに考えて我慢してるんだなぁというのがよく分かる雰囲気で、なんとも気の毒な思いで横目に見ておりました。

 

さて、札幌…というか北海道は現在感染状況が切迫しています。 とうとう自宅などでの待機中に命を落とす方、それも40代とお若い方でもそうなってしまったことなどが報じられ、ピークアウトにはまだ至らず、それどころかこの先1週間以上は悪化していく可能性が高いと感じます。 日々の感染者数がどうこうより、重症者・死亡者数の増加のことです。

 

二言目には盛り場、酒、カラオケという言葉が出てきますが、今の札幌のこの状況を招いたのは、どう甘く考えてもGWに行われたオリンピックリハ的マラソンレースが影響していると思わざるをえないわけで。

あのマラソン大会はあれでも規模縮小されたのだけれど、それでもこの感染拡大状態。

メディアはいったいどこの誰にどう気を使ってるのか「確実な証拠のないことは報道できない」という言い方を盾に、大会による人流増加が原因だと指摘するつもりはないらしい。 もちろんGWの観光客の増加も確かにあった。 あったけれども。 

別にあの大会が「全ての」原因だなんて言ってません。 でも「全くの無関係」とはどう考えても違う。

 

オリンピック参加関係者についてはバブル方式をとるので問題ないなんて言っているが、それは札幌の大会でも採用されていて、選手が専用のバスで目的地のみに送り届けられ練習する様子が報じられていた。 それでもこの結果なのです。

選手やごく直近のチームスタッフにはそれができても、大会を開催するためのスタッフは? 報道関係者は?  大会に関わる全ての「来訪者」をバブル内に包むように接触機会を設けないという策を…完全に取れると本気で思っているのでしょうか。

 

一度は封じ込めに成功した台湾が、現在変異株の感染拡大しているニュースはご存知の方も多いはずですが、今回の拡大の最初は入国時隔離の例外(通常の14日間ではなく3日間でOK)としていた国際線のパイロットだったのではないかとされていて、昨年4月上旬以降は感染者数は1日一桁か0という状態が、今年5月中旬に入ったとたんに跳ねあがり二桁、いまや三桁。

 

よくこういう感染拡大の時に持ち出される言葉に「指数関数的に増加」があります。

ほとんどの方が、ぎゅいんっと急カーブで増加するんだよね、くらいのイメージでとらえているわけですが、グラフを思い出してもあまり実感が伴わない。

昔、どれほどわかっていないのかを教えられた例えがあるのでご参考までに。

 

直感で答えて下さい。 

計算しないで、イメージとして浮かんだ厚さを。

問題は直球です。 ひっかけじゃありません。

 

 

ここに厚さ1ミリの紙があります。

半分に折って下さい。 

それをまた半分に折り、それをまた半分に…

10回折ったら、厚さはどのくらいになっていますか? はい答えて!

 

 

 

 

 

 

 

現実に10回折れるのかとかどうでもいいです、思考実験なので。

これは2の10乗です。 1024ミリ。 

1ミリの紙、10回折るだけで1メートル越します。

なんなら20回折ってみて下さい。 山です。

 

指数関数的という言葉のイメージと実際の乖離っぷりに、私はかなり衝撃うけました。 何十年前の呑み屋の与太話でありながらいまだに覚えているのです。 正確な数字は忘れちゃうんですけど、1メートル超すんかいっ!と。

 

いやでも、1ミリの紙だよ? そうです。 

でも10回で厚さ1000倍超すんです。

もとの厚さが2ミリなら?5ミリなら?  

もちろんこの「厚さ」が感染者数のメタファーであるのはお分かりになるかと。

 

連日報告されている感染者数はあくまで検査で感染が確認された数でしかなく、現実にどのくらいの感染者…無症状で、自覚はないがだれかに感染させる可能性のある感染者がいるのかは、現実にはもはや確かめきれません。

都内では代々木公園などに「パブリック・ビューイング」を設置するために園内の木々を「剪定」するというのがTwitterや一部の報道番組などで批判されたのを機に、当初の計画をこそこそ縮小、それでも「規模縮小するし」「剪定はもともとやらなきゃいけないことだし」的なゴニョゴニョで逃げ切ろうとしているようなのですが。

そこにさらにどれだけの人の流れを呼び込もうというのでしょうか。 

ワクチン、今まだ医療関係者への接種すら完全に終わっていないのに。

 

 

東京オリンピック2021の開催日程は7月23日から8月8日まで。

2週間を超える開催期間中にも感染が急拡大しないと誰が言えるのか。

その後パラリンピックは8月24日から9月5日の開催。 しかもその頃は例年熱中症や水難、食中毒なども増加し、救急医療へのアクセスが増加する季節でもあります。 

IOCがアスリートに対して求める参加同意書に、コロナ感染や猛暑による(死亡を含めた)重大な健康被害リスクを自己責任として了承するという文言があることが明らかになり、批判が起きているけれど、大会関係者も、それ以外の市井の人々も、助かるものも助からなくなる夏になりかねないのです。

 

ワクチン接種は進んではいます。 それは認めるけれども、まだ端緒でしかない。

 

そしてメディアの連中に声を大にして言いたい!

 

ワクチン打った瞬間に

「バリアー!我、免疫獲得せり!無敵なり!」

それは違う!!!って

大キャンペーン打て!

 

接種の済んだ高齢者にインタビューして「これで安心」って答えをそのままダダ漏れ放送するの止めろ! カン違いしちゃうんだって。 

いまワクチン優先的に打たれてる高齢者って、むかし「具合が悪けりゃ注射打ってこい、すぐ治る!」って時代の記憶があるからカン違いしちゃうんだって。

いま認証されてるファイザーもモデルナも、2回接種で抗体がしっかりできてくるのは2回目接種後1~2週間経ってから。 まだ日本で未承認の1回接種で済むとされてるJ&Jだって、接種して速効なわけはない。

 

ワクチン接種後も引続きの感染対策は、絶対必要です!

 

接種会場では説明されているはずなんですよ。 だけどね、往々にしてそういう状況で説明されたことって記憶に残らない。 「聞いてない」とか始まるんです。

 

ワクチン打って10日目に熱が出て感染陽性判明して数日で重症化して…なんて事態になったら笑えない。 泣くにも泣けないですから。