mouratta’s blog

うっかり半世紀生きてきて、自分がギフテッドと やっと気づいた私。

コーヒーミルのお買い換え。

 

独身の頃からずっと毎朝コーヒーをハンドドリップで淹れています。 

そのころは通勤途中にとても美味しいコーヒー豆屋さんがあったので、かならずそこで挽いてもらってました。 焙煎もブレンドも絶妙で、豆はすべて冷蔵保存。 ミルは業務用の上位機種。

 

ご主人は挽いた粉をステンレスのボウルにあけて、うちわを持って店外に出て、ぱたぱたっと扇いで薄皮をとばした後にパックするという丁寧さ。 

普段は豆の販売だけなのですが、たまにお声かけて下さり淹れて頂くことがありました。 思い出加点はあるのでしょうけれど、いままでそこを越えるコーヒーには出会っていません。 残念ながらご主人は故人となられてしまいました。 かつてお店があったところも面影なく。

 

結婚して札幌をでてからは仕方がないので、あちこちのお店で少しずつ豆を買って好みのものを探しました。 同じようにお店で挽いてもらっていましたが、ある時何の加減だったのか、家で開けた瞬間に薄皮がぶわっと噴き出して。

「もうやだ!ミル買って自分で挽く!」と。

 

いえね、ミルはあったんですよ、手動のが。 ハンドル回してカリカリ挽くヤツが。

独身時代でも毎朝メジャー3杯分。 結婚してからは倍の6杯分(2人ですがそれだけ飲む)結局は面倒になって仕舞いこんでしまい、転勤重なるうちにどこかでどなたかに差し上げちゃいました。 

もうさー、電動でいいじゃん。 コンパクトなプロペラ式のでいいじゃん。

ということで買ったカリタのCM-50。 ホントに楽天ってスゴイ。 2004年の冬頃に税込み4000円ちょっとで購入したことがすぐわかる。 16,7年前!

 

さすがにこの数日、動作が不安定になってきました。 何かの拍子にスイッチが入らなくなって、ブラシで粉を払ったりしながらだましだまし使っていますが、う~む。

ネットで調べてみると何と、今も同じ機種が売られている。 あら、当時よりちょっとお安くなっていますね。

 

 確か前も白か黒かでかなり真剣に迷ったのであります。 白にした。

 

電気屋さんにも行ったのですが、コーヒーミルは全体にこの10何年の間にすこし大型化しているようでした。 極端に大きくなったわけではないけれど、蓋を深くかぶせるようになっていたり、あるいは粉受けが引き出し型になっていたり。 

今使ってる場所に置いて、同じ要領で使えるかというとちょっと難しいなぁ。 何より手に馴染まない。 というわけで、10何年経って、わざわざまた同じものを買う…こういうの「こだわりが強い」ということになるのかしら。 

別に「これでなければ許さぬ!」とまでは全然思わないのですが、確実にお手入れの手間が増えそうとか、片手では扱いにくいとか、デザインがどうにもキライとか、「イラッとポイント」を避けるチェックしていくと、結局同じものになっていきます。

 

最近はポーションとやらを使ってスイッチ一つで美味しい多品種のコーヒーが味わえるものも出ているけれど、ドリップするのも楽しみの一つなのでそれには食指が動かないですね。 そちらはお外で(うわ~世の中便利になったな~!すごーい!)なんて楽しむほうが好き。

 

前述のとても美味しいコーヒー豆屋さんのご主人は、とにかく丁寧なお仕事をなさる方でした。 道具のお手入れ具合を見ても、ご自身の身なりを見ても、上質なものを大切にきちんと扱う方。 コーヒーの淹れ方も、準備怠りなく、集中して。

けれど、それを人に強要することは無かったし、こだわりや蘊蓄を必要以上に語ることもなかったです。 まれに注文する豆が仕上がるまでもう少し待って…ということがあって、そんなときはしばらくお話しするという状態で。

 

昔ってお砂糖、スプーン山盛り2杯3杯、4杯なんて人もいましたよね(ウチの父もそうでした)という話題に、当時のコーヒーの品種や品質、保管方法や焙煎や挽き方や淹れ方自体がいまとは全然違ったものなんですよ、昔は酸っぱいコーヒー多かったから。 

僕ねぇ、ずっとそういうコーヒーが普通だと思っていたんです。 それがある時全然違った本当に美味しいコーヒーに出会って、通い詰めて、最後はそこで基本から教わり、暖簾分けみたいにしてもらってお店を出したんです、と教えていただいたのが懐かしいです。

 

「好きなように淹れればいいんですよ、インスタントだって全然悪くないです。 飲んでホッと一息つければそれでいいんです。」「ただ、自分はこれが好みだからってこだわり過ぎて、他のものを否定したり切り捨ててしまうのは…世の中にはいろんなものがあるのに、試さず知らないでいるって勿体ないなとは思います。」

 

そんな風におっしゃってらしたことが耳に残って、ヘンに固執するところに落ちずに済んだのかもしれません。 少なくとも「ずっと続けてきたこだわり」と「初耳なのでとりあえず試す」の選択肢がある時は、基本、「とりあえず試す」ほうを選ぼうと考えています。 います…が。

 

今回同じコーヒーミルが手に入ったのは幸いなことなのだと思います。 でも多くのことは同じままではいられないのですよね。 いままでと同じように暮らせるわけではないのですよね。 いつかは切り替える時がやってくる…と言い聞かせてはいるけれど。

 

延々十数年使っている粉末出汁が切れたので注文しようとしたら、無い。

本家のHPに行ってみたら、5月31日で終了したと記載があって…廃業!?

あちこち調べてみるとどうも業績不振で廃業したらしい。 うそ~ん…(絶望)

飲食業の落ち込みが直撃したのだろうか。 そこに至るまでにクラファンとかM&Aとか何か手立ては無かったのだろうか。 こうやって消えていくのだよなぁ。

いままでこの出汁があればこそお味噌汁も何もかも美味しくできていたのにー! 今さら昔みたいに煮干し買ってきて頭とって割いてワタとってなんてもう…。

どっかのお金持ち、M&Aで継承してくれないかしら。

おかべやさん。 本当に残念です。