前回、ワクチンについてこれ読んでほしい!とおススメしたこちら。
で、高齢者への接種がぽつりぽつりと開始され、そうするとメディアでぽつりぽつりと言い出したのが「筋肉注射、怖くね?」「痛くない?」
この「痛くない?」はTwitterでも「そんな質問してるメディアって…」と、さすがに呆れた声がいくつも上がってましたけど。
怖くないですかっていうのはわからんではないです。
海外の接種時の映像が、まさにストレートにぶっ射す感じで見ためとっても痛そう。 でも打たれてる皆さん、そんなに極端な痛みを感じてる風ではない。 実際皮下注射と比べてもそんな痛いわけじゃないという、接種済みの医療従事者の 方たちが感想を述べておいでなのですが。
何が不安って、慣れてない。
これに尽きますよね。
では何故日本は筋肉注射に慣れてないのか。 ずっと打ってなかったからです。
日本で皮下注射が基本となったもともとの経緯、そして妄信的にワクチンを筋肉注射で打たないという方針は、もういい加減改めませんか? が、これ。
日本小児科学会が2019年に出したPDFです。
(時期的にはコロナウィルス以前です)
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/201908_kinnnikunaisesshu.pdf
まず最初にここで取り上げられていることについて知っておくべきなのは。
解熱剤や抗菌剤と、ワクチンは薬剤として性質が全然違います。 phも、浸透圧も、そして打つ頻度も。 筋肉注射そのものが問題だったわけではなく、薬剤の性質含め問題を起こすような投与方法であったということです。 特に「頻回の」はヤバいと思う。
70年代ってね、~50年前…です…。
いま現役の人たち知らないと思うよ、その頃のこと。 結構ね、注射バンバン打つ傾向強かった。 特に解熱剤とか栄養剤。 抗生物質すぐ処方してたし。
体調悪けりゃ注射打ってこい、そして働け。
モーレツ社員なんて言葉があった高度成長期。 どんな時代でも、子供はよく熱を出します。 でも延々と発熱が続くと、母親が対応に追われてモーレツ社員のダンナの世話に支障をきたすので、注射でぱぱっと解熱させちゃえってな時代。 だから「頻回」が起こり得たわけです。
まぁ実際はそんな理由だけなわけはなく、早く解熱して元気になってほしいと願うのは親も医療者もしごく当然で、注射が一等早く効くならどんどん打とうってことだったのでしょうが。
そんな社会状況で大腿四頭筋の問題が発生し、あっという間に筋肉注射は皮下注射になっていきました。 それがいまに至るまで続いてきたということです。
海外ではワクチン接種では筋注が基本で(ニュースでよく見ると思いますが)騒ぎもしないし当たり前のように「ぶっ射し」で投与しています。 高齢の方も、子供も。
さーたりさんのこちら(何度でも貼る!)
筋肉注射の経緯あたりの言及箇所が見当たらなかったので、ご参考までに。
この後、声の大きめなどなたかが筋肉注射怖いアピールおっぱじめたら、一度落ち着いて、上記の日本小児科学会のPDFをご熟読いただきたいと願っております。