昔話なんですけどね。
私が20代~30代の頃…ということはざっと40年近く前ということですが、札幌の夏で28℃になったらみんなぐったりしてました。 29℃なんて「外歩いてたら倒れてしまう。」と半分本気で言ってました。 そういう日が…2日あるかというのがいつもの夏。 27℃で夏真っ盛り!でした。
エアコンなんて百貨店とか大規模ビル以外まだ珍しかったですし。
いつの間にか「30℃」という日が観測されるようになりました。 当初は2,3年に1回あるかどうかという暑い夏。 最初こそ騒ぎましたが、だんだん普通に「そういう気温になるよね、夏だもん。」と皆慣れていきました。
そして今年。
札幌でも道内各地でも、延々30℃超えを連日観測し続けています。 先日は35℃超えて、さすがにエアコン購入を真剣に考えなければダメかと思った。 ダンナは買いたくてうずうずしているのですが私はやや抵抗あり…というか、やはり北海道の住宅って最近のものは別ですが、ほぼエアコン設置を本気では考えていないのです。
具体的に言うとエアコン用の貫通部こそ壁にあるけれど「室外機どこに置くのか全ッ然考えてないよね?」というベランダの造り。 吊るのもアリですが、絶対ハトやカラスが営巣戦を挑んでくる。 じゃぁ床置きとなると出入り口を半分ふさぐか物干しとめちゃくちゃ干渉する。
出入り口を左右変更するには室内の家具配置を変える必要があるけれど、ロックミシンとアイロンの作業台を移動させるにはコンセントの位置がぁ!てなわけで、解決する問題が山積。 なのでもうちょっと室外機が小さくなるとか…と思っているのですが、のんびりそんなことも言ってられなくなるのかしら。
なにがアスリートファーストなのかさっぱりわからない。
っていうか当初は東京でやるつもりだったんですよね。 いきなり投げてこられて札幌も北海道もかなり困惑してましたし、一方的に、何なの札幌オイシイトコだけ持ってくなんてヒドイ!と怒られたり。
いやあの…真っ先に怒るべき先は「温暖」とかツラッと言い放ったどなたかさんでは。 この歳になるまで「温暖」は30℃超えがあたりまえなんて知りませんでした。 へぇそうなの。 まったくもって人生日々勉強ですね。
そんな中でも開会式が行われ。
個人的にスゴイ!と思ったのはMISIAさんの歌唱力とドレス。 そしてドローン。
それ以外は登場する人々の渾身のパフォーマンスがとても…この全力の努力に呼応する感情が、私の中には湧かずにいることで痛々しさばかりがありました。
そりゃ受け手の私の問題だろうといわれればそうなのですが、根本としてあの場にいたパフォーマーの誰一人に対しても、企画側は「リスペクト」していない感が透けて見えて怒りすらわきました。 森山未來氏の舞踏は本来こうではなかったはずの開会式、そのことへの怒りも表現しているように私には思えてしまった。 そんなつもりじゃないかもですけど。
まさに広告代理店の存在価値であるマーケティングに則って決められた、このコンテンツでこのターゲットへの共感ゲット。 このタレントでこの層へのアピールOK。 このイメージで押せばSDGsとかもちゃんと考えてるポーズ完璧。 そのために利用する「タレント」は基本使い捨ての道具。
「リスペクト」? 何それ美味しいの? あ、一応コンセプトには盛っといてね、それまだ使えるから。 えぇもちろんりすぺくとしてますともこころから(棒)
一定の評価を受けたゲーム音楽の起用も「よくまぁこの逃げ道を思いつい(実行でき)たな~!」という感心はありましたが、逆に言えばあの辞任解任楽曲使用中止ドタバタが開始直前のことで、他には策なかったでしょうし。 多分もともと中の人の何人かは冗談半分に言ってたと思います、入場の時さ~FFとかDQのテーマで~って。
MISIAさんのドレス、かつて縫製を学んでいましたし、アパレルに長くかかわっていたこともありめちゃくちゃ興味を惹かれました。 彼女はいつもドラマティックなコスチュームを見事に着こなされる方で、毎回それを拝見するのも楽しみ。
「どうなってんだこれ…」「フリルだよね、オーガンジー?チュールか? アップ観たい!映してー!」「デザイナー誰?」「縫製どうなってる?」「基布に埋め込み?」「開きはどこ?」「多分とてつもなく重いよな、重量どのくらい?」「要尺どんだけ」「背中開いてるんだよね、肩のおさまりはどうやって?」「ウエストの切り替えは?」「まさかグルーガン…いやいやいやいや!…いやでももしかしたら…いやまさかそんな」
国歌聴けや!<(_ _)>
ダンナも私と一緒になってから「こんなのが欲しい」と小物製作をリクエストするときに、その用途目的や使う状況、どのくらいの強度(1日持てばいいのか何年も使うのかで作りも素材も違う)を求めるのかなどをツッコんで訊かれるので、だんだん縫製というものに興味を持つようになり、いまではすっかりEテレの「ソーイング・ビー」シリーズファンなので、2人してあーだこーだ。
「ソーイング・ビー」は観ていて、課題と制限時間を発表されるたび、ワタクシ恐怖の叫び声を上げております。 そして各チャレンジャーの縫製っぷりを見ていて、日本人の手仕事の細やかさはやっぱりすごいなと思い、同時にアフリカ系の出演者たちが何人も型紙作らずに美しい作品を縫い上げるのに度肝を抜かれます。 ホンットにすごいよ、あれ!
ドローンはほぼすべての人にとって圧巻だったのではないかと思います。 リオのプロモーションの片鱗はあそこにしか無かった。 それにしてももうここまできてるんだ、制御技術。 それはある意味ものすごい怖いことでもあるのだけれど。
今回の開会式がきっかけで「tokenize」「tokenism」という言葉がごく一部でではありますが語られはじめた様です。 この概念は少々複雑ですし、わかりやすい解説もまだあまり見当たりません。 日本ではまだ認識すらされていないことも多い。
「トークン(token)」本来の意味は「象徴」「記念品」「証拠品」といった意味で、最初は「代用貨幣」のような意味で広がりました。 ゲームセンタートークンとか過去のSFでタクシートークンというように使われていました。 だんだん広がって色々な使われ方がされるようになりました。 今はIT関係でも、ぜんぜん別の技術用語的な意味合いで使われているようです。
象徴という意味合いをメインにして使われてきたのがこの概念かと。
英語なので、自動翻訳したとっかかり部分がこちら。
トークニズムは、特に職場や教育の文脈の中で人種やジェンダーの平等の外観を与えるために、過小評価グループから人々を募集することによって、マイノリティグループのメンバーを包括するために機能的または象徴的な努力のみを行う慣行です。仕事や学校にトークンの個人を含める努力は、通常、差別の告発をそらすために、社会的包摂性と多様性(人種、宗教、性的など)の印象を作り出すことを目的としています。
「トークン・マイノリティ」としての大坂なおみ選手であったり八村塁選手。 彼らの旗手や聖火最終走者としての出場を「いいように利用されている」と批判する意見を聞いて私は違和感を持ちましたし、頷きかねました。
多分、あのポジションに参加したのは、そんなこと(利用されている)ことは重々承知のうえで、それでもその位置に立つことを選んだのだと思います。 そして「私が」ここにいることの意味を考えてほしいとの思いでそこに立った。
そのメッセージを受け止められる人が一人でも多くありますように。 それと同時にこのことは自分自身も何の考えも悪意も思い至らずにやってしまうということを強く自戒せねばと、改めて感じたのが最大の収穫だったかも。
人種的なことだけではなく、性別や年齢、職業や学歴、誰もがトークンになりうる。 私自身ももちろんそう。 忘れてはならない。
あぁ、それにしてもあのドレス、間近で視たい! 裏とか、縫製とか、重さ! 久々に服飾で興奮しました。 ちょっとミシン踏もうかな♪