mouratta’s blog

うっかり半世紀生きてきて、自分がギフテッドと やっと気づいた私。

音威子府村へ、ビッキ氏のかつてのアトリエ。

 

さて、遠出のお話し・続きです。

前回はあまりの暑さで、涼しい京極のふき出し公園へ出かけ、ついでに洞爺湖を回り、洞爺湖芸術館砂澤ビッキ氏の作品もっと観たいスイッチが入り、晩年のビッキ氏がアトリエを構えた音威子府村を訪問したい!ということで。

 

音威子府村(おといねっぷ・むら)

www.otoineppu.com

ja.wikipedia.org

www.vill.otoineppu.hokkaido.jp

位置はざっくり旭川稚内のまん中、すこし稚内寄りくらいにある、人口1000人に満たない小さな村です。 

札幌からだと高速使って3時間半弱(休憩なし前提データ)その距離260kmくらい。 本州で言えば、だいたい東京都庁と愛知県庁の直線距離だそうで。 

そりゃ年寄りに日帰りは無理だ…いったい何をしに行ってるか分からぬスケジュールになってしまう。

 

目的の砂澤ビッキ記念館(←通称:公式にはエコミュージアムおさしまセンター)。 音威子府の中心部からさらに少し北に進んで天塩川を渡る。

bikkyatelier3more.wixsite.com

今はGoogle先生が事前に色々教えてくれるのでホントに助かる。 近くには「北海道命名の地」なんてのもある…あるけど…多分ねぇ、ここ、慣れてない人は注意してほしいです。 羆、遭遇しがちなポイントだから。

 

むかーしSNSでお付き合いのあった方(生まれも育ちも道外の方)が、北海道旅行に出かけるの、知床とか行くの、くまさんに逢いたい~♪と書き込んでて軽くめまいがしたものですが、えっとね、羆に逢う…っつーか「遭う」ってことは、そこで人生終了の可能性ありますんで。

リアルなら恐怖しかないです私。 子熊カワイイでしょ?と言う人いるけど、子熊がいるってことは近くに親熊がいるわけで。  

 

遭遇というか、ニアミスありますよ。

とある産業遺跡をめぐる砂利道、3人で話しながら歩いてたんですが、ものすごい獣臭がして。 うわやばい。

道の右側は淀んだ池のある窪地(←道からは見えないが、1人は土地感があるので知ってる)背の高い雑草の生えた法面の茂みの中から、聞こえるかどうかくらいの低い威嚇のうなり声。 

道の左側をみると、雑草が部分的に踏み拉かれた跡がある。 ここ、獣道かぁ。

 

3人とも北海道暮らしが長く、心構えができてたから、会話のトーンも歩く速度も変えず、気付かぬふりしてうなり声の横を行き過ぎ、事なきを得ました。

が、ちょっとタイミングがずれてたり、足音や話し声をたててなかったらどうなってたかは分からない。 

親子熊だったり、こっちが一人だったり、あからさまに美味しそうな食べ物の匂いしてたらマズかったかも。

ましてこの状態で、不慣れな人がパニックになって叫んだり、走って逃げると双方に不幸な結果になりそうで。

 

近年は昔ならありえなかったような場所でも、人が去って廃墟になり、野生動物が活動するエリアになってきているのですよね。 深い奥山でなくとも、野生に遭遇する可能性高まってます。 用心大事。

※10/08追記:「注意して」って言われても慣れてない人にとっては判んないよと自分でも思った(笑) 

具体的には、一人で行かない、音出す(熊よけの鈴よりラジオの話し声で大勢いる的アピール推奨)、食べ物持ち歩かない、ゴミぜったいポイ捨てしない。 

そして周辺にしっかり気を配る。 視覚聴覚嗅覚しっかり働かせて危険予知。 そして万一出遭ってしまったらどうするか色々なサイトで啓蒙されています。 ご一読を。

 

さて、おさしま。

ここも小規模ではありますが、大変に素晴らしい展示でした。 見応えというのは、規模に単純比例しませんね。

撮影もOKとのことで一部ご紹介。

f:id:mouratta:20201005120052j:plain

ヒゲ、脚、稼動可能。 

今にも動きそうなパワーが宿っている感あり。

 

f:id:mouratta:20201005120313j:plain

かつて村に建てられていたトーテムポールの一部など。 

ビッキ氏は自然木で構成された彫刻が、風雨と時の経過により朽ちるもまた作品の一部と考え、常々表明していました。

f:id:mouratta:20201005120850j:plain

アイヌ古老の像。 ビッキ氏風貌にも似通うような。

f:id:mouratta:20201005120929j:plain

アトリエの再現。 アトリエ風景は、洞爺湖芸術館にもご遺族の寄贈により、やや小規模なものが再現されています。 

鑿などの道具の収納法などは共通している感じ。

ここを企画製作したのは都内の会社だそうで、この規模のコンパクトな展示にもかかわらず、胸を打たれるものでした。 照明の演出も素晴らしい。 特に暗闇の入り口からおそるおそる忍び込む最後の部屋は思わず息をのむほど。

 

人口1000人を切っている自治体であっても、こんなに優れた美術館をその地に抱えていること、たくさんの方に知ってほしいなぁ。

展示室を出たところにあるのは、なんとかつてススキノにあった「いないいないばぁ」の店舗内装。

このお店、当時は結構な有名店、ビッキ氏が内装を手掛けた縁でカウンターなどをそっくり再現したそうな。 看板やマッチ入れなども。 ふふふ、このマッチあったよウチに、何十年前。

コーヒーなどいただけます。 お酒はいただけません。 そこ、ビッキ氏が寄りかかったトコかもよ♪

 

冬期間は閉鎖されます。 もし訪れる際は事前にHP等調べてご確認のうえお出かけください。

 

私たちはダンナの仕事が終わってから、午後7時に札幌を出て、高速通って旭川に午後9時半過ぎに宿泊。 

翌朝のんびり9時ころ宿を出て、寄り道しつつ11時過ぎに着きました。 2時間ほど滞在。

そして帰り道もあちこち寄りつつ、途中の道の駅でコロッケなどで飢え満たしつつ(音威子府の道の駅が、たまたま休業日で昼食とれず)比布で夕食、その後高速で帰札という道のりでした。

 

音威子府だけじゃなー…とお思いの方、近隣の美深町(びふか・ちょう)は、かの村上春樹氏の訪れた町として、ハルキストに知られております。  

チョウザメ飼育してたり(チョウザメ館で見学可)なかなか面白いのです、この周辺。 おススメよ、ホント。

ただ、冬は閉鎖になっちゃう施設もあるので、初夏から晩秋くらいがいいと思います。 美味しいもの食べたいなら、夏の終わりかけころから、色んなものがハーベストタイム。