昨日は札幌の冬開始カウントダウンイベントのひとつ、手稲山の今季初冠雪でした。 札幌と喜茂別町の境にある中山峠もすっかり真っ白雪景色。 「冬」ではまだないけれど、あっという間に晩秋に入ってきています。 今年は暖房費が恐ろしいことになりそうで、プラダンおススメしときます。
先日、夫婦でインフルエンザワクチン接種してそのまま車で1時間の長沼(ながぬま)へお出かけしてきました。 長沼は私くらいの年代だとうっすら「ナイキミサイル基地」というフレーズが浮かんでくるのですが、ナイキ自体は30年近く前に運用を廃止しています。 もう反対立て看板の残骸すらもまず見かけなくなりました。
今は整備が進んだ広大な農地が広がる一大農業生産拠点のイメージでしょうか。 稲、小麦、豆、雑穀、葉物根菜種々の野菜、6月後半から11月中~下旬まで「道の駅」ではいくつかの団体がそれぞれ野菜の直売を行っています。 去年くらいまではその直売所がお目当てだったのですが、今年は「道の駅」自体が改装され、経営母体を民間に任せてパワーアップしました。
「道の駅」はもともと、高速道路にはSAなりPAがあって無料で休憩や食事などができるのに、一般道はドライブインやコンビニでなければお手洗いや休憩などを満足に取れないのはいかがなものか、一般道でも24時間OKな無料休憩所ほしい!が発端で、地方自治体と道路管理者、国交省(当時は建設省)がわっせわっせと整備して作り上げてきたものです。
特に北海道は街間距離がものすごく長かったりしますし、冬の荒天時の避難場所も必要で平成5年(1993年)にいっきに十数カ所が登録され、順調に増え続けています。
長沼道の駅(マオイの丘公園)は1997年にオープンし、当初から農産物直売が人気だったのですが、本体が…建物は素敵なのに正直運営が残念の極みでした。 2Fのレストランは接客が最悪で、思うに第三セクターで立ち上げたものの役場から意に沿わない出向させられたんじゃないのかと私は今も疑っているおっさんスタッフが不機嫌全開で「いらっしゃいませ」すらマトモに言わない。 ホントにびっくりした。
提供メニューは内容も味も決して悪くないのにおすすめメニューが12時直後で品切れ続出(いや逆に日本でこの規模でここまでヒドイ接客レストランってある意味貴重かもしらん)とおもわずじっくり観察しちゃったくらいすごかった。
その後もぜんぜん改善されず(というかどんどん雰囲気が悪くなっていった、まぁ当時のスタッフの方々には心から同情しますわ)客もサミダレ、1Fの物販はそこそこだがあか抜けない品揃えと陳列、接客は親切だったし用は満たしているけれどキッチリした教育はたぶん受けていないシロウト仕事。 これでは利益どころか建物の維持管理費すら出ないな…と思っていたら「どこか民間企業でここ運営してみようってトコないですか~?」と指定管理事業者を公募した。
長沼には道の駅から少し離れたところに昔からの小さな温泉もあって、そこも同じく公募され、どちらもキャメル珈琲に決定したのが昨年(2021年)1月。 キャメル珈琲…?といぶかしむ方にその会社の展開店舗の名称を。
「カルディコーヒーファーム」。 指定期間は2021年4月から5年間。
先月行ってみたら2Fはピザ専門レストランになっていて、美味しいわスタッフの応対は素晴らしいわ、できればピザのサイズ展開がほしいなと思うのと、皿の保温性がもうちょっと高いといいなぁと思う以外はとっても満足。
↑ まん中に見えるピカピカの釜でピザ焼いてます。
同じフロアに持ち帰り用専門のスイーツショップがありますが、そこのプリンやシュークリームもここで食べられます。 めちゃ濃厚でおいしい、シアワセ。
マルゲリータがたぶん一押し、バジルの香りが鼻にスーと抜けていく、美味!
1Fのショップもびっくりするほどお洒落になって買いやすい。 元々から扱ってた人気商品のいくつかはそのまま継続して売られていて、それが違和感なく馴染んでいる。 長沼の名産のお揚げやお豆腐も。 やっぱりプロはすごい。
パブリックスペースとしてのお手洗いや休憩所などもすっかり改装されて使いやすくなり、とても快適。
隣接してホテルもオープン、【有名観光地ももちろんいいですがそれだけでは飽き足らない北海道観光リピーターの皆様には新しく「レンタカーで北海道の道の駅めぐりの旅」どうでしょう】的アピールが生まれつつあります。
北海道はほとんどの自治体に温泉・鉱泉が湧きだしていて、民間のホテル以外にも公的なものも半官半民的なものも含めて入浴施設があちこちにあります。 なかなか豪華なものからひなびた公衆浴場まで。 体力あるならそういうハシゴも楽しいかも。
札幌近郊の道の駅であればこの長沼のほかに恵庭、当別、三笠(ここが北海道1番最初の道の駅)、少し足を延ばすなら苫小牧(ウトナイ湖野鳥サンクチュアリ隣接)砂川(ここは高速のSA、一般道からも立入可能)あたりが楽しめそう。
道の駅隣接で宿泊施設や温浴施設、公園が整備されていたりします。 まぁ残念ながら「道の駅」全てがどれもが見どころいっぱいというわけではなく、中には(やる気ないなー…)(自治体に余力ないんだなー…)ってところもあったりしますが、それはそれで興味深いです。 もちろん道東、道南、道北それぞれに魅力的な道の駅ございます。 6月半ばから10月下旬くらいまでにぜひどうぞ。 冬期は野菜直売所とかしまっちゃって寂しくなるので。
さて。 札幌から長沼の道の駅に行くにはいくつも行き方はあって、国道12号線を東へ向かい、途中から国道274(337と重複区間あり)号線へ入るなど。
まもなく日本ハムの新拠点ボールパークがオープンする北広島をすぎてさらに東へと進んだら…長沼に入って間もなく刈り取りの終わった畑に白鳥の大集団!
むこうにみえる大きな建造物が新たな日ハム拠点のボールパークFビレッジ。 で、この写真を右側に2枚並べたくらいの規模で白鳥とか雁とかわさわさいました。 数羽くらいの群れがひっきりなしに降りてきたリ飛び立ったり。
「白鳥の湖」が超有名なので、白鳥=湖イメージありますが渡りのエネルギー補給のために刈入れ後の畑によく飛来します。 ここまでの大きな群れは珍しいけれど、数羽~十羽程度ならあちこちでみかけます。
※春や秋、こういう渡り鳥の写真撮ろうと思う人もいるかもしれませんが
成育中の作物がなくとも【農地】です。 畑には絶対入りこまないで下さい。 農産物に影響を及ぼす病害虫・菌類などを畑に持ち込む危険があるのです。 商品として農産物を生産する畑は、しろうとの家庭菜園とは全く違うレベルで管理されています。 知らなかったとか悪気はないでは済まされないことですので。 そして大きな声や音で鳥を驚かそうとか絶対やめて下さいね。
ウキウキしながらそっと立ち去って、道の駅に向かおうとしたらさらに進んだ先で農地にタンチョウのつがいまでいた。 残念ながら停車できず、車内で2人で「タンチョウだーっ!タンチョウ!いたー!(←語彙力幼児レベル)」と大盛り上がりしながら通り過ぎました。
ここ、国道といえど道幅は(北海道としては)それほど広くないのに近年大型車の通行量がすごく増えて、軽い気持ちで駐停車なんかしたらすごく迷惑…というより重大事故の引き金になりかねないので停められない。 実際、事故も起きていてかなり悲惨。
ところでタンチョウ。 イメージ的には道東の冬の映像が有名かしら。 釧路湿原で1924年に再発見されるまで、日本では絶滅したと思われてたそうで。 1950年代に30羽をすこし越したくらいの数から釧路湿原を中心に保護活動を重ねて、近年は1500羽をようやく越しました。
で、そのあたりでは「留鳥(渡り鳥でない)」ですが、大陸では渡りをすることが知られています。 ロシアや中国北東部から朝鮮半島などへ。 つまり種としてはわりに距離飛べるということで。
増えてきたのでいずれ日高山脈越えて西側に来るんじゃないかとは以前から言われていましたが、この数年、苫小牧や長沼への飛来、繁殖が確認されたりしています。 どうも道東じゃないルーツの個体も飛来している可能性もあり研究継続中とのこと。
こういう大型鳥類が増加するとそれはそれで農家さんや養鶏業者さん、あるいは送電線保安についてなど、いろいろと困ってしまうことも増えてくるのは分かってはいますが…絶滅が回避されたのならそれは喜ばしいことと思うし…野生との関わりはどんどん難しい局面に入ってきますね。 でも鶴の群れが青空横切る景色、見たいなぁ。
よく「自然と共存することが大切」とかいう言葉を聞きますが、札幌市内のヒグマの目撃地域も頻度も増え続けています。 危険だから人里で見かけた個体はすべて駆除しろとはまったく思わない。 でも去年は札幌市内の住宅街でヒグマに襲われた事例も出ているし、今日も郊外とはいえ近くに高校があるような地域で目撃情報がありました。
もし自分の子供が登下校時にいきなりヒグマに出くわして襲われるかもしれないとなったら「そっと見守ろう」「駆除するな」なんて、私は言わない。 自然保護について賛成反対で簡単に二分できるほど単純じゃないですね。